[旅行] ベトナムへ研修に行ったら普通にまた行きたくなった話 (1)

[旅行] ベトナムへ研修に行ったら普通にまた行きたくなった話 (1)

去年の12月。会社の研修でベトナムはホーチミンに行った。3日間の滞在(5日間のうち前後2日は移動日)であったが、非常に有意義な経験をさせてもらったので、いくつか紹介したい。ベトナム、とてもエキサイティングでした。

社会主義国?ベトナム

ベトナムは人口9000万人超、日本と国土の面積がほぼ同じで、時差は2時間。北にハノイ、南はホーチミンという大きな都市がある。日本読みの正式名称は「ベトナム社会主義共和国」。その名の通り、社会主義の国だ。社会主義って聞くと、真っ先に中国とか旧ソ連なんかを思い出すが、僕が行ったホーチミンはあまりそういった雰囲気が感じられず、むしろ自由な、活発な空気に触れられた気がした。(これは経済中心のホーチミンだからで、政治中心のハノイだとまた雰囲気が違うのかもしれない)

僕は、ベトナムに行くと決まってからも、ほとんどベトナムという国について調べることもなく。「お腹を壊さなければいいなあ」くらいの考えしか持っていなかった。というのも、これは偏見になると思うが、アジアの諸地域にそこまで関心がなく、どうせ行ったところでちょっとつらい思いをして帰ってくることになるだろうと、たかをくくっていたのだ。だが、その考えはこの3日間の滞在で完全に覆ることになる。

研修の目的

ベトナム研修の目的。それは「オフショアをもっと活用しましょう」というものだった。オフショア、という言葉になじみがない方は多いと思うが、一方でIT業界に勤める人なら必ず耳にするキーワードでもある。オフショアは「岸から離れた海の向こう」を指し、簡単に言い換えれば「海外」ということになる。なら日本語で言えよと言われればそれまでだが、IT業界の考え方だと、ここに「単金の安い」「アジア諸国やインド」あたりを付け加えなくてはならない。要は「単金の安い諸外国に開発の一部をお願いして、完成費用を抑えましょうね」って言うことになる。ただ、それだけだとえげつないっていうかあんまり聞こえが良くないので、あとはグローバリゼーションやらなんやら意味づけをしておけばOKだ。あれ、なんかすごい歪んだ説明。

そうしたオフショア活用に対して、僕も含めて国内のシステムエンジニアの皆さんは、わりと消極的だと思う。まず何にせよ「言葉・言語」が違うので、「これこれこういうのを作ってね?」とお願いしても、必ずしもそれを100%理解してくれるとは限らないからだ。出来上がったものを見てびっくり。Aをお願いしたはずがBだったりすることはざらにある。そうならないようにあれこれ対策をしなくてはならないわけだが、これが結局こちらの負担に結びつき「だったら国内でやったほうが楽」って結論になりがちなのだ。

こうしたもやもやした感情をもつ我々を「いやいや、今はそんなことないんですよ?実際現地で確かめてみて?」ってことで企画されたのが今回の研修…となっている。その研修に対して、僕に白羽の矢が立った理由はよく分からないが、突然部長から「だいこりくん、ベトナム行く?」と言われて、まあ断る理由もなかったので「ええ、いいですよ」と応えたのが去年の11月頭。そこからあれよあれよと時が過ぎ、気付けばベトナムに旅立つ12月中旬となっていた。

-3℃→30℃の衝撃

出発するときの札幌の気温は-3℃。今年は暖冬のせいかそこまで寒くはない気温ではあったが、それでも氷点下だ。そこから新千歳空港→羽田空港→成田空港を経て、飛行機で6時間弱。気付けば僕は、深夜23時のベトナムはホーチミンに降り立っていた。そのときの気温はおおよそ30℃。サウナもびっくりの寒暖差である。よく、季節の節目で風邪を引くと「いまは寒暖差が激しいからねえ、体がついて行かないよね」なんて会話をするものだが、今回のに比べたら鼻で笑えるレベルである。すぐに上着を1枚脱いで、体は完全に夏モードになってしまった。
※それでも12月のベトナムは乾季で過ごしやすい温度だ、と現地のガイドさんが言っていた

▲夜の活気に圧倒される

その日はすぐに移動し、ホーチミンの繁華街にあるホンセンホテルというところに泊まった。設備はどれも古さを感じるが、清潔に保たれていて、好印象だ。

▲なかなか壮観な佇まいのホンセンホテル

▲偶然にも広い部屋が割り当てられてラッキー

▲朝食は屋上のテラスで

▲どれも美味しかった

そしていよいよ現地の人たちと交流へ

今回の研修は、会社のグループ企業への訪問がメインとなっていた。そこで、現地の人たちの働きぶりを視察したり、品質についての考え方や、今後の案件について協業出来ることはないか、という点について、いろいろとディスカッションするのだ。と、これ以上は仕事の話になってしまうので詳細は割愛するが、印象的だったことが2つある。

1つは、ベトナムの人は優しくて控えめだということ。無論、こちらは視察する側なので、それなりに気を遣われていた点は否めないが、それでも、誰もがみな感じよく接してくれた印象があった。現地で働く日本の方に聞くと、それがベトナムの国民性なんだという。他国だと、どんな場面でもぐいぐい攻めてくる気があるようなイメージを持っていたが、ベトナムはどちらかというと日本の国民性に近いような気がした。現地の方は日本語が堪能で、英語も満足に話せない僕らでも意思疎通がしっかりと取れたので、その点苦労は少ないだろうなと感じることが出来た。

もう1つは、休憩時間に出してくれたデザートの食べ方だ。日本の企業じゃ絶対考えられないが、休憩時間になると、ベトナムで食べられている各種柑橘系のフルーツをお皿一杯に提供してくれた。これだけでもありがたく、また、食べたことのないフルーツの数々に感動したのだが、その食べ方がまた独特だった。何かというと、フルーツには「塩」をかけて食べるのが一般的だという。こう聞くと、日本でもスイカに塩をかけて食べる文化があるのでそこまで驚きはないが、こちらは割と何でも塩をかけるらしい。理由も一緒で、塩と一緒に食べることで、フルーツの甘みがより引き立つんだとか。そしてこの塩には「スパイス」が含まれているのも特徴。僕らが出してもらったのは、岩塩のようなものに唐辛子のチップが混ぜられているもので、しょっぱさのあとにほんの少し辛みがある。これが、フルーツと一緒に食べると不思議と美味しいのだ。ベトナム料理は結構辛いものが多いらしく、のちに笑っちゃうくらい辛い唐辛子にあたってしまったことがあったのだが、聞くと「これくらい平気」だそうだ。辛いものが苦手な人は、そこらへんうまく避けながらベトナムの食べ物を楽しむのがいいかもしれない。

▲研修先まではタクシーで向かったのだけど、やはりバイクの多さには度肝を抜かされた

続きます

3日間のうち、2日は研修。そして残りの1日は「視察」とスケジュールには書いてあった。視察は研修中にもうしたのではないかと思うが、実はこれ、メコン川周辺の観光であったのだ。会社のお金で観光させてもらえるなんてありがたいことこの上ないが、しかし当日になっても僕らはメコン川に行って何をするのか、全く聞かされていなかった。これが、ベトナムという国をいろんな意味でさらに知ることになるとは、思いもしなかったわけで…。

ということで、観光については次回にまた。