一人遊びはどうですか

一人遊びはどうですか

大人になっても一人遊びはやってしまうもので、僕は「名付け」という遊びを密かな楽しみとしている。


photo credit: gato-gato-gato via photopin cc

例えば街中で、海外の人とすれ違えば、勝手に名前を考えてしまう。

「彼はスティーブ」
「ジェイコフ」
「ステファニー」

そんな風に頭の中で思い浮かべ、上手くマッチしたなと評価しては悦に入ると言うものだ。アホらしい?一人遊びなんてそんなものです。

「信念さん」と呼んでいる人がいる。電車でよく遭遇するのだが、この二年間ほど服装が変わっていない。暑い夏も、寒い冬も、同じ長袖のジャケットを羽織っている。彼の背景はなにも知らない。ただ、きっと信念を持ってその装いをしているのだろうと言うことはわかる。だから、信念さん。


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「短いさん」はとにかく短い。ネクタイ、ズボンの裾、バッグの肩掛け。やや大柄の体格にかかわらず、どれも短いのだ。最初は違和感を覚えるが、見慣れてくると「あっ、今日も短い!」と嬉しくなってしまうから不思議である。

こんな感じで、僕はいろんな人に対して名付けをしていく。もちろん声には出さずに。皆さんは、自分だけの一人遊びをお持ちだろうか。

余談だが、「短いさん」は冬になると衣替えをして、もろもろ普通の長さになっていた。まあそんなものかと思っていると、先ほどとは別の人で、いろいろ短い人を見かけるようになってしまった。

「短いさん」は2人いたのだ。